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他人の作品を自分の作品の中に利用する方法で、適法な方法に「引用」というものがあります。
この方法は、著作権法上明記された、きわめて正当な方法であって、他人の作品を利用する、唯一の方法といってよいでしょう。
ところが、最近は、引用という口実で、他人の作品を利用して、それだけで、本を作ってしまうようなことがあります。大変重要な問題でしょう。他の人の作品を、名前や、出所を明示もしないで、あるいは、大幅に利用してしまって、「引用」などというので許されるのであれば、他人の作品の利用は全く制限のないものとなってしまい、著作権の存在の意味はなくなってしまいます。
さて、では、許される範囲の「引用」とはどのようなものなのでしょうか。
著作権法第32条はまず、「公表された著作物は引用して利用することができる」と原則規定をおきます。したがって、原則として引用して利用することは許されるということです。
それに引き続いて、次のような規定が続きます。
「公正な慣行に合致する」ものであって、「報道、批評、研究、その他の引用の目的上正当な範囲」で行われるものでなければならない、というのです。
ここで、引用という行為が、一般社会で認められるような常識的な行われかた、通常認められているようなやり方であることがまず必要だということです。電気製品などの業界では、むしろ広範な引用が認められていると見られますし、商品取引界では、引用といっても規制は緩いといえます。
これに対し、美術や芸術の世界では引用は大変制限され、厳しい対処がなされているようです。これは、作品に対する品質管理、本来の色が出ないような写真での利用を拒否するなど、芸術家としてのこだわりも影響しているようです。また、芸術作品自体の価値という意味でも、安易な利用は避けられるべきだということでしょう。
こうして、引用の社会慣行を見極めることが必要となります。
次に、「正当な範囲」というものが重要です。むやみやたらと引用して、元の作品の持つ力を利用するというのは、本来の範囲を逸脱したものですから、違法な引用になります。
この点でも「正当な範囲」というのは、利用目的と、利用されたときの効果、利用してできたもののテーマなどと、利用されたものの関係、利用したものの力と利用されたものの力の関係など、総合的に判断する必要が出てきます。
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