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いうまでもなく、相続は被相続人の残した財産を、相続人に分配するという制度ですが、争いごとを回避するには、分配の基本的な考えをはっきりと認識する必要があります。
相続の基本となる原則とは、相続人は、全員平等であり、同じ相続権があるということです。
この原則のため、家業を継ぐ者、家を支えた者の評価が小さくなり、これに比べ、外に出て家を省みなかった者の相続権は家を支えた者と全く平等である、という一見奇異な現象が発生するのです。
民法の基本原則は、古い時代の家督相続を完全に否定して、その意味で近代的な、平等原則を採用したもので歴史的意義があり、尊重されなければならないものです。
こうした、家督相続という家制度を否定して、個人を尊重した結果、兄弟は平等に扱われるという、当然のことがようやく社会の価値観として確立されたのです。
こうした歴史的な意義からすれば、均分相続に時としてともなう、個々的な病理現象は、個々人の基本的理念の理解や、遺言制度の活用、相続法の活用によって調整、回避されるべきです。
さじ加減は、寄与分、特別受益で図ることができます。
相続人間の実質的な平等をはかるということから、ある者に対する相続分を増やすときは、寄与分の主張(民法第904条の2)をすることになります。寄与分とは、家業に従事したり、親の面倒を見たりして、相続財産の増加に貢献し、あるいは減少を防止した苦労を正当に評価しようというものです。
家庭裁判所にその適当な額を検討して、決めてもらうものです。
次に、ある相続人が、既に多くのものを貰っており、その者の取り分を減らしたいというときは、特別受益(同903条)による持ち分の減少という制度があります。
こうして、均等相続に関して、多少のさじ加減ができますが、「さじ加減」という風に覚えておいてください。これで均等相続の原則や、相続人の地位が変わるようなことはないのです。
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