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手形は、転々流通するもので、いったん発行されると、それがどこへ行くかはわからないものです。したがって、支払期日に全額を用意して待っておればよいのですが、倒産ともなると、それができないので、問題を生ずることになります。
倒産の事態とは、一部の支払いが不能となった時のことを言いますが、この事態は大変流動的で、何が起こるかわかりません。また、原則として民事事件ですから、警察も事件にならない限り身辺警護などしてくれません。
手形は、こうした事態の時には、いち早く回収しないと困難が生じます。というのは、こういう時の手形は、まったく価値がないはずなのですが、ある特定の人には役に立つもののようです。
すなわち、この手形があることで、債権者になり、正当な地位を取得するので、それをたてにして会社に乗り込んで商品を引き上げたり、機械類を持ち出すことが事実上できるからです。さらには、駆け込みで土地の担保を取るなどしたり、社長の実印、権利書など重要書類を預かるなど、強硬手段に走ることもあります。遂には、社長の身柄を確保して、脅迫をするなど、違法行為を繰り返すこともあります。
ほとんど無料で手に入れた手形で、多くの利益を手に入れるということで、暴利をむさぼり、破産の処理が妨害されるのです。また、任意整理で解決して、債権可能な場合にも、それが不可能になることがあります。
こうして、転々流通する手形がある時は、再建、整理が困難になります。
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