第2回
「ITを通じて市民との対話を バイタリティあふれる若手弁護士」
古賀克重弁護士(萬年法律事務所) |
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古賀克重氏(弁護士) |
福岡から、インターネットを通じて情報発信をし、熱心な活動をしている弁護士がいます。
古賀克重弁護士です。
その多彩な活動について、お話を聞きました。 |
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弁護士になろうと思ったきっかけはどういったことでしょう? |
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古賀 高校生のころに漠然とですが、「弁護士」というより「医療問題にかかわる弁護士」を目指したのが出発点です。
父親が医師をしており、自然に「医療問題」に何らかの形でかかわりたいと思うようになりましたが、封建的(と感じられた)医療界に進む気持ちにはなれず、一方、自由業への強烈なあこがれは持ち続けていたので、「弁護士」を目指すようになったのです。
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その「医療問題にかかわる弁護士」として、現在どのような活動をされてますか? |
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古賀 医療過誤は、現在10件ほど抱えていますが、医療問題研究会に所属し、協力医のアドバイスを受け、必ず弁護士複数にて処理することなどを心がけています。
なぜ複数かといいますと、「医療」という専門性の壁をくずすには、1人の弁護士では時間的・労力的・能力的にも限界があります。そこで医療過誤を専門とする、3人前後の弁護士での共同受任を原則としているのです。
また全国で初めて立ち上げた「患者の権利オンブズマン」の法律相談員をしています。 |
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「患者の権利オンブズマン」は、訴訟支援ではなく、患者と、医療従事者との誠実な対話によって、患者の苦情を解決し、その権利保護を図ることを目的としていることが特徴的ですね。 |
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古賀 そもそも医療問題にかかわりたいと思った、当初の動機を満足させるのが、患者の権利オンブズマンなのかもしれません。
医師が嫌だと幼なながらに思ったのは(といっても高校時代ですが)、その封建的な、患者を対等に見ないシステムに魅力を感じなかったからですので。 |
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少年事件にも力を入れられていますね。 |
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古賀 少年事件は事件をこなすうちに趣味となってしまいました。少年事件件数は、年間10件前後です。現在、今春日本評論社から出版予定の少年法改正に対応したマニュアルの執筆のほか、全国で初めて身柄拘束をされた少年全員に付添人を付けるというプロジェクトに力を注いでいます。
これは、福岡県下において家裁送致された少年全員に、付添人をつけるというプロジェクトです。家庭裁判所と継続的に協議するほか、予算・人員について弁護士会内部にて協議中です。今年2月から全国ではじめて実施される予定です。
被疑者国公選は、少年についても全件付添人をつけることが前提となるべきです。
被疑者国公選が実現しましたら、成人であれば起訴後も国選弁護として公的援助が継続されます。ところが、少年であれば、家裁送致後は公的援助がなくなり弁護士がつかないというのは極めて不合理だからです。被疑者国公選を本気で実現する意味においても、福岡での試みは全国に先駆けてのモデルケースといえるでしょう。
また少年法改正による厳罰化が叫ばれる中、すべての少年に付添人をつけることによって、安易な検察官関与、逆送を避けるなどの機能を果たしえると考えています。 |
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| ※被疑者国公選−裁判において自白が有力な証拠とされている現状から、被疑者段階における弁護の重要性がある。特に少年においては、精神未発達ゆえ、周囲の言葉に影響され自白させられることが多い。資力のない被疑者に公的費用により弁護士をつける制度の早期実現を目指す活動が日弁連はじめ、各方面で行われている。 |
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| ※逆送−検察官送致。家庭裁判所の調査の結果、保護処分でなく、刑事処分が相当と判断した場合には、検察官に送致され、刑事裁判が行われる(少年法20条)。今年4月より施行予定の改正少年法では、重大事件については原則逆送とするが、少年犯罪においては更正を理念とすべきとして、反対が多い。 |
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これまで多くの少年と関わってきて、印象に残っている事件、エピソードなどございましたら、教えください。 |
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古賀 100人近い少年とかかわってきましたが、本当に立ち直らせた少年が何人いるかと言われると、自信がありません。常に悩みながら付添人活動を行っているのが実状です。
ただ審判で涙ながらに自分の心のつっかえを語った少年が、少年院から出てきて、近くのコンビニの袋に包んだ菓子折を小脇に「お世話になったから。」と突然事務所にやってきたり、試験観察が無事終了した少年と親とともに、居酒屋で祝杯をあげたり(もちろん彼はウーロン茶)と、うれしいことも少なくありません。 |
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出張先でノートPCをたたく古賀弁護士。
仕事の合間をぬって作成されているホームページには、多くのレポート、活動報告などがあり、本インタビューで紹介されている事件のほか、法の華訴訟や、多重債務・消費者問題
、メール法律相談や掲示板もある。 |
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そのほかハンセン国賠訴訟にも携わられ、いよいよ結審を目前に控えていますが、そもそも関わるようになったきっかけとはなんでしょう? |
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古賀 修習生のころ、東京薬害HIV訴訟弁護団の弁護団会議をのぞかせてもらいました。「明るく、楽しく、真剣に」議論する様子をみて、こういう活動がしたいと思いました。東京に残るか、地元福岡に戻るか迷いましたが、福岡にもHIV弁護団が立ち上がると聞き、地元に戻ることを決意しました。その弁護団中心に取り組んでいるのが、ハンセン国賠訴訟です。
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※ハンセン国賠訴訟−「らい予防法」違憲国家賠償請求事件。ハンセン病患者に対する隔離絶滅政策、ハンセン病療養所での人権侵害に対して、国に対して損害賠償を求める訴訟。98年に熊本地裁に提訴されたほか、全国各地で提訴されており、全国あわせて原告は591人にのぼる(2000年10月現在)。
情報-5月11日熊本地裁判決にて、厚生大臣および国会議員の違法性及び過失を認め、国に賠償命令が下されました。 |
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これまでの活動の中で印象に残っていることがありましたら教えて下さい。 |
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古賀 3年解決を掲げたこの訴訟ですが、2年半で結審できました。この種の集団訴訟(4次提訴までで原告144名)ではかなりの早さでしょう。
その中で大きな役割を果たした一つが、「IT」だと思います。重たい後遺症をもたれている方が多く、事務所での打ち合わせは不可能でした。全国各地の療養所を回り、訴訟説明会・聞き取り・陳述書作成をする必要があります。各弁護士がノートパソコンを持ち込み、療養所で打ち込み、FAXに送信する、携帯プリンターで打ち出すなどして効率的に処理できました。また、1000頁近い最終準備書面を九州各県の30人前後の弁護士で起案し、一つにまとめていく過程において、メールに添付する、PCカードでやりとりするなど行いました。
私のHP自体も、ハンセン情報の発信が当初の出発点です。うれしいのは支援者の方や原告が毎回楽しみにしてくれていることです。 |
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ハンセン国賠訴訟について読者への呼び掛けなどございましたら、どうぞ。 |
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古賀 90年の歴史を裁く、訴訟の第一歩として、今春西日本訴訟の判決がくだされます。東日本訴訟、瀬戸内訴訟も続きます。国は、「法律の廃止によりすべては終わった」とのスタンスを変えていません。が、警官などを使い強制的に収容し、雑居生活を強いて、患者に患者の治療(注射まで)をさせ、断種を条件に結婚させるなど歴史の闇に隠された被害は、帰る故郷の喪失などの形でいまだ続いています。
少しでも多くの方に実状を知っていただき、支援して頂きたいと願っています。 |
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ホームページでは、たとえば、ハンセン国賠訴訟など、尋問、弁論の様子などをそのままの言葉で掲載されていて、訴訟の現状、問題点がダイレクトに伝わってきますね。これだけのものを掲載するのはかなり大変な作業かと思うのですが。ご自分でテープ起こしされたりしているのですか? |
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古賀 尋問、弁論などは、訴訟資料に基づいて私が打ち込んでます。さすがにテープ起こしまではしませんが(笑)。夜中、1日の終わりに地道に更新しています。 |
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これからもがんばって下さい。最後に市民の方へのメッセージをお願いします。 |
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古賀 思いつきで始めたHPですが、たくさんの方と知り合うことができました。
私は「IT」を企業だけでなく、市民の方とともに有効利用していきたいと考えています。HOUTALもその意味で非常におもしろい試みだと今後の発展を期待しています。 |
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本日はありがとうございました。 |
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「基本的に『おもしろい』『共感できる』『何とかしたい』事件に力を注いでいますし、これからもそうありたいと思っています。。」とさりげなく語る古賀克重弁護士。その気負いのない自然体が市民と弁護士とをつなぐ信頼の絆となるのでしょう。
次回の弁護士訪問もお楽しみに。 |
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患者の権利オンブズマン
特定非営利活動法人 患者の権利オンブズマン編
明石書房 定価1,900円(本体価格)
ISBN4-7503-1301-7
古賀弁護士より頂いたこの本を抽選で1名様にプレゼントします。(応募受付は終了しました。) |
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インタビュー・文責:戸台 未来
みなさんからのご意見・ご感想お待ちしてます。 |
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萬年法律事務所 |
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