| 法律分野のベンチャー企業支援 〜企業が望むこと、弁護士ができること |
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| そのようななか、弁護士や公認会計士が中心となったベンチャー企業支援団体、ビジネスチャレンジャー支援協会が5月1日、設立された(TOPICS参照)。代表の高山征治郎弁護士にお話を伺った。 「設立のきっかけは、昨年8月18日の朝日新聞の『起業家と目利き いでよ、挑戦する人材』という社説を読んだことですね。そこで取り上げられていた人に連絡を取ってみると、起業家にとって、事業をしたい心と、現実にするということの間には大きな壁があるという。それなら、自分がその壁を取り除いてやろうじゃないかと思ったわけです。 ビジネスチャレンジャー支援協会は初の弁護士自体が事業主体となっている団体として、長期的視野に立って、アーリーステージにある事業家を支援することを考えています。 現在、弁護士が絡んでいるサービスベンチャーというのは3つほどあるのですが、どれも弁護士が事業団体に登録し、仕事を紹介してもらうという形で、厳密にいえば弁護士法27条違反になるものばかりなんですね。 当協会は、営利事業ではありません。具体的コンサルティング業務については報酬を頂きますが、かなり抑えていますし、株式公開を見越して株式やストックオプションでも良いこととなっています。お互いに親友となれるような事業家の方の支援をしていきたいですね。ですから、支援するかどうかは、その人がどんな人か、人を見ることを一番重視します。 また、当協会には弁護士だけでなく、公認会計士や、社労士、弁理士、広告アドバイザーや金融の専門家などもいて、企業の設立から公開、さらなる発展に必要なほとんどのすべての面 にわたり、支援が可能です。こういったワンストップショッピングは、小渕内閣時にも規制緩和によりこれを目指すといっていますし、相談に来る人にとっても非常に便利でしょう。 今のベンチャー企業の問題は、会社自体は成長しても、内部の管理部門が営業部門についていっていないというところですね。やはり企業は身長だけ大きくなって、カルシウム不足の会社になってはいけないのであって、やっぱり骨太で身長が伸びていくことが必要です。また、今はベンチャーキャピタルはお金があまっているのですが、彼らは公開間際のところばかり狙っているんですよ。そういうところはリターンが大きい割にリスクが少ないし、しかもリターンが来るのもすぐでしょう。もっと長期的視野に立って支援しなければならないでしょう。そういうところで我々が必要になってくるのだと思います。」 本協会の設立はベンチャー企業に対する人のサポートとして、非常に力強いものであり、今後とも注目していくべきであろう。さらに高山弁護士は次のように語る。 「これからの弁護士は法律を多少知っているから偉いなどというのではなく、事業家の人たちなどと話していて、彼らが何を望んでいるのか、どこが儲かるチャンスがあるのか心得て、提案ができるようにならないといけないでしょう。 僕はこれまでいろんな役職を歴任してきましたし、ある程度うちの事務所に若い人を抱えているので、余裕があるからこういった活動ができるのであって、今の自分は幸せな立場になっていると思います。過去の蓄積があるからこれができると。しかし、今の若い人たちも忙しさにかまけず、こういったことにも携わってもらいたいですね。」 こういった支援をする弁護士は冒頭の金井弁護士のお話にもあったように現時点では非常に限られている。今後ベンチャー企業をサポートする弁護士が望めるかについて、金井弁護士は、 「例えば、修習生で、ベンチャー関係の法律に興味があって僕の事務所に訪問しに来た人もいます。今後ベンチャー企業のサポートができる弁護士が育ってくるということはあるでしょう。しかし、彼らが一人前になるには5年はかかります。5年後株式市場がどうなっているかもわかりません。サポートできる人は今必要なのです。アメリカにはWilson Soncini Goodrich & Rosariや、Venture Law Groupなど、ベンチャー企業専門の法律事務所もあります。日本でも、企業法務を10年もやっている方なら充分にサポートできるでしょう。また、弁護士以外の専門家との協力という道も考えられます。」と、期待する。 ベンチャー企業における法律分野での支援に対するニーズは大きい。前述の法務担当者も弁護士に対して「我々と同じ視点に立ち、新しいことにチャレンジして幅広いサービスを提供して欲しい」と望んでいる。もちろんベンチャー企業の育成には、経営者の、他人の資本を預かることに対する意識の問題、真に企業の将来性を信頼して投資を行う市場形成の問題等、様々な問題が複雑に絡み合ってはいる。しかし、現在、彼らが日本経済の中の一つの大きな流れを形成しつつあるのは確かである。この流れを止めないためにも、多くの弁護士が経営に興味を持ち、彼らのニーズに応え、ひいては日本経済の活性化につながるようになって欲しいと願う。 |
| 文責:戸台未来(リーガルコミュニケーションズ) |
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