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ネットJ「くらしの法律相談」バックナンバー

(Q)
“ワン切り”の高額請求 支払いに応じるべき?
(A)
得体の知れない相手への支払い義務はありません
「携帯電話のワン切りコールに電話をかけ直すと高額請求がくる」などのメールが出回り、相談も相次いでいるということが話題になっています。しかし法律上、“ワン切り”のケースで高額を請求された場合、本当に支払義務は生じるでしょうか。
イラスト
イラスト・よづか りも 
 NTTドコモなどの電話会社と携帯電話契約者との間では、電話サービスの利用に先立ち、必ず利用契約が結ばれているものです。契約に従えば、ワン切りコールの発信元など、全然知らないところであっても、電話をかければ“通話料”の支払い義務は生じます。しかし、通話料以外の“サービス利用料”などについては、電話をかけただけで支払い契約が成立するとは言い難いでしょう。
 ワン切りコールの場合、電話をかけ直す時点で相手がどこの誰かはわかりません。また、電話をかけるとどんなサービスが提供されるのかもわからず、そもそもサービスが提供されること自体知らないはずです。
 支払い義務などの契約が成立するには“意思表示の合致”、つまり契約当事者が“誰を相手にどんな内容の契約を結ぶのか”という共通認識を持っている必要があります。だから、相手もわからなければ、何のサービスかも知らない状態で契約が成立することはあり得ません。従って、電話をかけただけで通話料以外の支払い義務が生じることもありません。
 契約が成立し、支払い義務が発生するには、電話をかけ直した側がサービス内容を認識し、その提供を承諾したと判断できる材料が必要です。たとえば、「この電話は○○の情報提供サービスです。情報をご希望の方は1番のボタンを押してください」との音声に対し1番を押すなどのように。もっとも、そのように行動した場合でも、支払い義務が生じるのは同種の有料サービスと比較して“合理的な範囲内”に留まります。
 “ワン切りで高額が請求される”といった話は、法的には根拠のない、噂話に過ぎないのです。


(弁護士 山崎俊和 中村法律事務所)
 
 
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