ジャーナル


ネットJ「くらしの法律相談」バックナンバー

(Q)
紛失した携帯電話を勝手に使われたら?
(A)
サービスの利用料金は原則、契約者が全額負担
 携帯電話やパソコン(PC)を利用したネットバンキングやクレジットカードショッピング、各種チケット予約など、便利なネットサービスが多くなってきました。しかし便利な反面、携帯電話やPCを置き忘れたり盗まれたりしたら、本体の紛失被害はもとより、ネットサービスを勝手に使われて金銭的な損害も拡大、という恐れも高まっています。なぜなら、携帯電話の場合、通話はもちろん、IDやパスワードを入力せずに利用できるサービスもあり、またPCの場合はIDやパスワードなどのアカウント情報がブラウザーに保存されていることがあるからです。
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イラスト・よづか りも 
 多くのネットサービスの約款(通信サービス会社などと契約者の関係を一律に規定する規約)では、“契約者以外の者”が行なった通話や通信についても、契約者に料金支払い義務があるとしています。つまり、紛失した携帯電話やPCが知らぬ間に他人に使われたとしても、損害はすべて契約者が負担すべきであるという意味です。たとえばNTTドコモの約款では、第96条で『通話料の支払義務』を定めています(あらゆる電話利用のケースを含むということで、特に“盗難”“紛失”とは書かれていませんが)。
 携帯電話やPCには、電話帳や文書データなどとして重要な個人情報や業務情報を記録していることも少なくないでしょう。他人にこれらのデータを勝手に使われたり、外部に持ち出されたりしたら、うっかり機器を置き忘れた場合でも、過失による不法行為として民事責任が生じることもありえます。また、経済的損失以上に社会的信用を失いかねません。
 機器の紛失やデータ流出の責任は機器所有者にあると認識し、携帯機器はハードとソフトの両面で危機管理を施すことが重要です。機器にはパスワードを設定するとともに、そういう配慮を欠いて重要データが漏れた場合は、法的責任も問われると覚悟すべきでしょう。

(弁護士 日置雅晴 日置雅晴法律事務所)
 
 
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