| ネットJ「くらしの法律相談」バックナンバー |
| (Q) 子供がやり取りするメールや見ている サイトを親はどこまでチェックできる? |
| (A) 子供が日頃閲覧しているサイトや作成しているサイトなどについては、できれば親がその内容をチェックしたほうがいいでしょう。子供がやり取りするメールについては、法律上チェックすることも可能ですが、プライバシーの問題もあり、できれば親子の信頼関係を構築して対処するのが望ましいでしょう。 |
| 最近では、未成年の子供がネットでソフトの違法コピーを販売したり、オークションサイトで詐欺行為を働いたり、出会い系サイトで知り合った相手との恋愛トラブルで殺人事件が発生したりと、インターネットが若者の犯罪の一因となるケースが増えてきました。ポルノや薬物などのホームページもたくさんあります。また、逆に子供が性的な犯罪や詐欺、悪徳商法の被害者になるケースもあります。親としては、こうしたニュースを聞くと、子供のネット利用に及び腰になりますが、今や小学生でさえ宿題をするのにインターネットを活用するのが当たり前の時代です。子供のインターネット利用に対して、親はどう対処していくべきか、法律の視点から考えてみましょう。 親権と子供のプライバシー メール内容のチェックやウェブの閲覧内容のチェックを巡っては、企業と社員の関係でも同じような問題が起こります。ただしこの場合、雇用契約関係があって、社員には職務専念義務もあります。そのため法的には、明快な規定を置き、チェックすることも可能と考えられています。では親子関係においては、どこまで子供の行動をチェックできるのでしょう?特にネットワーク利用の場合の限界というのは、どうなっているのでしょうか。法律上は、未成年の子に対しては親権者(民法818条が定める、原則は両親)が"親権"を有するとされ、親権者は子の監護と教育の権利を持つと同時に義務を負っています(民法820条)。他方で、最近は様々な領域でプライバシーの権利が主張されてきており、子供にもプライバシーの権利が一定の範囲で認められるべきだと考えられています。しかし、いずれも法律の中ではその範囲、限界について具体的な規定はありません。結局、子供の年齢や行動の内容、チェックの方法などを総合的に判断して、許容範囲を定めることになるのですが、親権は広範な裁量が認められています。仮に親子で争う事態になったとしても、よほど異常な方法でもない限り、親が違法とされることはないと考えられます。親権者は子供の監護の義務を負っています。少なくとも、子供の行動が社会的に見ておかしいと思える状況になった場合、その一因にメールやネット利用が絡んでいると思われるときは、メールの内容や日頃閲覧しているサイトのチェックを行なって、適切な指導を行なうことが義務となる場合もあるでしょう。それは法律上、親権の行使として是認されると考えられます。逆に、それを怠っていた場合、第三者から親としての責任を問われる可能性さえあるのです。では、子供におかしな様子が見られない場合に、予防的にチェックすることはどうでしょうか?私は、親子の場合にはそれも原則として法的に許容される範囲ではないかと考えます。しかし法律上どこまで許されるのか、ということと、そういう行動をとることで信頼関係が構築できるのかということは別間題です。何も問題が生じていないときから、子供のメールに検閲的なことをして、親子の信頼関係が構築できるとは思えません。この辺は、手紙や日記などと同じように考えていいと思います。子供がインターネットを使い始めたら、そのことを親子の話題にして、その中でネットの持つリスクや注意点を教え、何かあったら親に相談する関係を構築しておくべきでしょう。また閲覧内容については、子供向けにアクセスを制限するようなソフトもあるので、そうしたものを利用するのもひとつの方法でしょう。 子供が開設したぺ-ジは親の目でチェックを 同じインターネットの利用でも"メール"と"ホームページの開設"ではプライバシーの程度や社会への影響がまったく異なります。"ホームページの開設"は、メールと違って一般に公開するためプライバシー性が低くなりますが、他方で社会的な影響が大きくなります。いくら事前に注意しても、子供の場合、社会的な知識が不足しているので、その開設したホームページは、著作権や他人のプライバシー侵害、そこまでいかなくても、トラブルになるような内容を含んでしまう可能性が高くなります。また、自分や家族に関するプライバシー情報などを不用意に開示して、トラブルを招くこともあり得ます。少なくとも子供がホームページを開設するような場合には、親として一度は目を通して、問題がないかチェックすべきでしょう。インターネットには大きな可能性があります。リスクがあるからと子供をそこから遠ざけるのではなく、親としてリスクがあることをきちんと教え、使いこなすことを学ばせるのが一番だと思います。それとともに、トラブルが発生したときに子供が親に相談できる信頼関係を構築し、問題が発生したときには親が前面に出て対応することが必要でしょう。最後に、自分が全く理解できない内容については、そもそも子供を指導監督することは困難です。子供の方が親以上のパソコンのノウハウを身につけてしまうと、法律上はともかく、事実上は子供の行動チェックが困難になることは認識しておくべきでしょう。 (弁護士 日置雅晴 日置雅晴法律事務所) |
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| 【著作権法で保護される権利】 民法818条によれば、(1)成年に達しない子は、父母の親権に服する。(2)子が養子であるときには、養親の親権に服する。(3)親権は、父母の婚姻中は、父母が共同してこれを行う。但し、父母の一方が親権を行うことができないときには、他の一方が、これを行う。とある。 【民法820条】 親権を行う者は、子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。 |
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