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ネットJ「くらしの法律相談」バックナンバー

(Q)
ネットオークションでのブランド品売買
どんなところに注意するべき?
(A)
いわゆるブランド品は高価な品が多く中古でもそれなりの値がつくため、ネットオークションで相当数が売買されているようです。でも、"偽ブランド品"が出回ることもあり、万が一、偽物の売買に関わると、トラブルに見舞われたり、思わぬ処罰を受けたりすることがあるという点を心得ておきましょう。
 
 
偽物が出回る有名ブランド品
消費者側のチェックも必要

 バッグやアクセサリー、衣類などのファッション製品には、有名ブランドといわれるものがいくつかあります。これらは、デザインや品質に高い評価を得ていることからそれ相応の価格がつき、特に女性を中心に人気があります。一方で、多数の偽物が製造、販売され、最近も流通最大手をはじめとした小売店で偽物が売られていたことが話題になりました。
 オークションサイトで手持ちのブランド品のバッグを売りたくても、実は海外旅行をした際に安く購入してきたもので、本物かどうか自信がないというケースもあるでしょう。あるいは、堂々と(?)偽物を購入し、その旨を正直に伝えて売るなら問題ないと思う方もいるかもしれません。しかし、もともと偽物は、海外から持ち込むこと自体が違法であると認識する必要があります。もちろん偽物をだまされて売りつけられる消費者は被害者ですが、消費者としても見る目を養う必要があります。また、ブランド品などは輸入総代理店制度をとっていることがあり、代理店以外が"業"としてブランド品を販売する場合は、いわゆる並行輸入品として販売されています。並行輸入品には過去にしばしば偽物が含まれていたこともあり、問題が発生するケースがあるので、その点も注意が必要です。

偽物を本物として販売したら
詐欺罪として刑事責任が発生

 個人が所有するブランド品のネットオークションでの売買は、本物であれば正当な所有権の行使ですから、特に違法ではありません。では、もしオークションに出したものが偽ブランド品であった場合、どんな問題が生じるでしょうか。
 売り主が偽物であることを知りつつ、本物として販売したら、これは「人をだまして価値の低い商品を売りつけた」ということになります。このような行為は刑法の詐欺罪に該当し、10年以下の懲役となります。また、買った人は、民事上の詐欺取り消しなどを主張して代金の返還や損害賠償を請求できます。自分が本物と信じて購入してきた物が偽物とわかった場合であっても、それをこっそり売却してしまうような行為は避けるべきです。
 一方、本物と信じて購入したものをオークションで売ったら、あとから実は偽物だったと判明したらどうでしょうか。刑法では原則として故意犯、すなわち「偽物と認識していてこれを本物として販売した場合」に限り詐欺罪などが成立し、本物と信じて売った場合は、刑事責任は生じないことになります。しかし、民事上は本物として売買契約した対象が偽物だと判明すれば契約は"錯誤により無効"となり、返金せざるを得なくなります。

偽物を偽物として販売しても
商標法違反で刑事罰の対象に

 では、偽商品を"偽物である"と明示して売買すれば、問題はないのでしょうか。確かに、この場合は購入者をだましたことにならず、詐欺にはなりません。しかしブランドというものは、法律上は商標権という権利で守られており、偽ブランド品を販売する行為は、商標法違反となります。商標法は偽ブランド品の輸入や販売など一定の行為を商標権侵害行為と見なすと規定し、これに該当する場合は「五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金」(商標法37条、78条)に処せられます。つまり商標権侵害行為は商標の所有者を保護する規定であり、偽物を売った側は商標権侵害で刑事処罰の対象となります。たとえ購入者側が偽物と納得していても、売った側の処罰は免れません。また、偽物を本物と偽った販売は、詐欺と商標法違反の両方の罪に問われます。

違法な物の売買で損をしても
裁判所は救済してくれない

 ところで、偽ブランド品やコピープログラムなど、商標法や著作権法に違反する違法物の取引行為は、民事上は不法な原因によるお金のやりとり、"不法原因給付"とされます(民法708条)。このような取引の場合、もし、「代金を払ったのに商品を送ってくれない」「商品を送ったのに代金を払ってくれない」といったトラブルが発生し、損をした側が救済を裁判所に求めたとしても、裁判所はこれを救済しないことになっています。なぜなら、こういうケースで損をした人の請求を認めると、違法商品などの取引行為による対価の回収に対して裁判所が手を貸す結果になってしまうからです。
 結局、ネット経由の取引であれ、現実の取引であれ、偽ブランド品やコピープログラムなどの取引相手が契約を守らなかったとしても、裁判所を通じた救済は受けられず、丸損となりかねないのです。違法な取引に関わるべきではありません。

(弁護士 日置雅晴 日置雅晴法律事務所)
参考記事
偽ブランド販売と男性経営者を送検〜大宮
埼玉新聞
'99年7月、埼玉県大宮市の業者が『Stussy』などの偽ブランド品を販売し商標権侵害。

特報・偽プラダ:バッグが大量流通 被害4000億円に
毎日インタラクティブ
2000年8月、偽の『プラダ』のバッグが国内で大量流通し、被害額が偽ブランド事件で最大規模の約4000億円に上ることが発覚。

参考ウェブサイト
偽ブランド商品・海賊版等の「コピー商品」を追放しよう!
神奈川県警

偽ブランド(知的財産権侵害物品)は輸入禁制品です
沖縄地区税関
 
 
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