ジャーナル


ネットJ「くらしの法律相談」バックナンバー

(Q)
人気商品にそっくり これ売ってもOK?
(A)
買い手が混同するほど似ていれば問題です
 ある人気ロボット犬の影響か、巷で似たような商品を見かけることがあります。先行のロボット犬が有名なだけに、「類似品って問題ない?」と思う人もいるでしょう。そこで、商品形態(商品デザイン)の権利、利益保護に関して話をしてみます。
イラスト
イラスト・よづか りも 
 まず、ある商品と似たような商品を販売した場合は、『意匠法』『不正競争防止法(不競法)』に反する恐れがあります。さらに、先行商品のデザインに高度の芸術性が認められれば、その商品は『著作権法』による保護を受けることもありえます。
 一定の要件を満たす商品形態は、意匠登録することで意匠法の保護対象になります。でも登録には通常2〜3年を要すので、後発類似商品が先行商品の発売から間もない場合は、不競法で先行商品を保護することになり、そこでまず先行商品にまったくそっくりな"模倣"は、先行商品の商品化後3年間は許されないのです(不競法2条1項3号)。もし模倣商品の製造・販売などに関わった場合は、先行企業から販売差止め、損害賠償を請求されてしまいます。
 模倣とはいえない"類似"については不競法2条1項1号で、類似品を販売し商品の出所(商品主体)を混同させる行為="商品主体等混同行為"を禁じています。ただし類似の場合はどんな商品にも適用されるわけではなく、商品を見た人が「あの会社のあの商品だ」とわかる程度に先行商品が周知されていなければ保護されません。そのかわり模倣のように3年間の期間制限はなく、15年の意匠権が切れても保護は続き、販売差止め、損害賠償請求が可能です。
 前述のロボット犬は周知性があると思われるため、もし後発商品を見た人が「あのロボット犬だ」と間違って買ってしまうほど似ていれば、上記規定に触れるでしょう。この場合、民事責任のほか刑事責任(侵害行為者は3年以下の懲役または300万円以下の罰金、法人は最高1億円の罰金)も問われる可能性があります。

(弁護士 芳仲美恵子 芳仲美恵子法律事務所)
 
 
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